尚山堂について | 株式会社尚山堂
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尚山堂のあゆみ

明治27(1894)年、尚山堂は木版画彫師である淺野鉢太郎によって創立されました。
彫師ならではの特殊技術(エッチング技法やエンボス加工など)を得意とする印刷会社として、独自の道をあゆみはじめます。

そんな尚山堂は、紙の加工にもいちはやく着目。当時「紙」とは、情報伝達のために用いられる〝書くための道具〟でしかありませんでしたが、そこに〝ものを包む〟という新たな用途を見出し、さまざまな紙器づくりに取り組んできました。ご存じ森永製菓のミルクキャラメルの箱や、学校給食になくてはならない牛乳キャップは、そうした歴史の中で生まれた産物です。

常に紙の可能性を追求し、新たな紙器づくりに取り組む──。

こうした姿勢は昔も今も変わりません。いつの時代も人々の暮らしに息づく大切な〝食〟を、より便利により豊かにするために。尚山堂は使い手に寄り添い、食の未来を賢く支える紙製品を生み出してまいります。

尚山堂のあゆみ

唯一無二の製造技術

工場内にはさまざまな設備がありますが、製造ラインは尚山堂のオリジナル。新しい製品を生み出すために、新しい機器を開発し、独自の製造工程を設計していきます。すべては尚山堂ならではの唯一無二の紙製品を、安定的かつ効率的に生み出すため。 製造ラインの各所に、これまで培ってきた老舗ならではの知恵と技術、ノウハウが凝縮されています。

また、食にまつわる製品をつくる工場だからこそ、最高レベルの衛生管理を実施。
たとえば、外部と接続する出入り口には塵一つ持ち込まないようエアシャワーを備え、工場内には紙粉や埃の舞い上がりを防ぐエアソックスフィルターを設置するなど、クリーンな環境で製品づくりは行われています。

工場案内

今、必要とされる製品を

尚山堂では、食品売り場やカフェ、コンビニエンスストア、ファーストフード店などで使用される紙製品をバラエティ豊かに製造しています。いずれも強度や形状、加工に工夫を凝らし、機能性や利便性を追求。食べることがより楽しくなるような使い心地を目指しています。

食を支える製品だからこそ安心・安全はもちろん、食品の味や風味を損ねないことも尚山堂が徹底する大事なポイントです。

たとえば、尚山堂の主力商品である紙スプーンや紙ナイフといったペーパーカトラリーは食品に接触し、なおかつ直接口に入れるもの。紙そのものの味や匂いが食品を邪魔してはいけません。 すべての製品づくりは、最適な紙づくりから。
これもまた尚山堂の大切なこだわりです。

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牛乳キャップの生みの親・尚山堂

尚山堂の歴史を語るうえで忘れてはならないのが牛乳キャップです。
そう、学校給食や銭湯でおなじみの牛乳瓶についていた〝丸い紙のフタ〟のこと。
今ではあたりまえの存在ですが、日本で初めて牛乳キャップを製造したのは何を隠そう尚山堂です。

明治初期、かつて牛乳は大きなブリキ缶に入れられ、柄杓で汲んで測り売りされていました。しかし衛生面に問題があること、さらに栄養価のある牛乳をもっと多くの子どもたちに届けるための利便性から瓶詰めでの販売が主流となりました。 フタには薄紙を瓶の口に手で押し込んだだけのものから、木栓、コルク栓、王冠口などへと変遷していきます。そんななか尚山堂が紙でつくる牛乳キャップの製造に着手したのは大正11(1922)年のことです。

主力工場を建設
大正11年(1922)に牛乳キャップ主力工場を建設
初期の生産風景
初期の生産風景

牛乳キャップの使命は密栓することにあります。瓶口にピタリとはまり、防水性に優れていること。なおかつ丈夫で破れにくいことが絶対条件です。試行錯誤を繰り返すなか、当時の王子製紙とともに厚さ1㎜の丈夫な原紙を共同開発。さらに密閉精度を上げるため牛乳瓶の口径を34.1㎜に統一することを提唱し、以後、全国の牛乳メーカーは統一された牛乳瓶を使用することになりました。

昔は一枚一枚手作業でつくられてきた牛乳キャップ。
厚紙を丸く打ち抜くのも、防水用のパラフィンワックスをつけるのも。
職人による緻密な技術があってこそできるものでしたが、尚山堂はこれを機械化することに成功。
以降、牛乳だけでなくヨーグルトや乳酸菌飲料などの瓶製品にも多く使用されることになります。

そして今でも。尚山堂は牛乳キャップ製造の国内トップシェアを誇っています。